水道水をそのまま飲むか、浄水を通してから飲むかで、1年間に口に入る水の味は変わる。各地の水道事業者で料金改定が続いていることもあり、宅配水やウォーターサーバーの月額から、カートリッジ代だけで済む浄水器へ戻す動きが出ている。据置型はその選択肢の中心にある。蛇口に分岐金具を付けて本体をシンク横に置く方式で、蛇口直結型より本体が大きいぶんカートリッジも大きく、ろ過流量と交換周期の両方で有利になる。冬に白湯やお茶を飲む量が増える時期は、この差が使い勝手に出る。この記事では現行10製品を、除去物質数・濾材・カートリッジ寿命・交換コスト・設置方式の5軸で並べ直した。
- この記事の要点
- 据置型浄水器10選 比較表
- 各モデルの詳しい紹介
- 1位 三菱ケミカル・クリンスイ SuperSTX SSX880 — 据置型の標準を決めている1台
- 2位 ゼンケン アクアセンチュリースマート MFH-S75 — 除去項目にPFOSとPFOAが明記されている
- 3位 キッツマイクロフィルター ピュリフリー PF-4W — 2年使って本体ごと交換する
- 4位 メイスイ nomot 2形 — カートリッジ一体型で置き場所を取らない
- 5位 ゼンケン アクアセンチュリープラス MFH-11K — 1日30Lを想定した容量設計
- 6位 ドリームバンク ビュークリラ — 交換が3年に1回で済む
- 7位 三菱ケミカル・クリンスイ エミネントII EM802 — 2本のカートリッジで役割を分ける
- 8位 ゼンケン ビクラ浄水器2 MFH-V92 — 円筒型で設置面積を抑える
- 9位 水生活製作所 磨水IV J207P — NSF認証カートリッジで除去項目を積む
- 10位 マルチピュアジャパン マルチピュア 750CT — 除去項目数で選ぶ最上位
- 選び方のポイント
- 蛇口直結型・宅配水との比較
- 用途別のおすすめ
- まとめ TOP3
- よくある質問
この記事の要点
- 据置型はろ過流量3L/分前後で米研ぎや野菜洗いにも回せる
- 交換コストは1Lあたり1.3〜2.5円が中心帯
- 除去物質数は数え方がメーカーで違うので単純比較できない
- 工事は不要。蛇口の形状に合う分岐金具が付くかだけ確認する
据置型浄水器10選 比較表
10製品を並べる。除去物質数はメーカーの公表値で、家庭用品品質表示法が定める物質に日本浄水器協会(JWPA)独自の項目を足すかどうか、PFOS・PFOAを別立てで数えるかどうかで表記が変わる。数字の大小だけで性能を比べられる欄ではないので、後段の「選び方のポイント」とあわせて見てほしい。交換コストはカートリッジの実売価格を、メーカーが公表する交換目安(1日◯L使用で◯か月)で使い切る水量で割った目安である。参考価格は2026年9月時点の実売の目安で、販売ルートや色によって上下する。
| 画像 | 商品名 | メーカー | 除去物質数 | 濾材 | カートリッジ寿命 | 交換コスト(円/L目安) | 本体設置スペース | 参考価格 | 購入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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SuperSTX SSX880 | 三菱ケミカル・クリンスイ | 14項目 | 中空糸膜+活性炭 | 12か月(1日20L)/総ろ過水量35,000L | 約1.9円 | 蛇口分岐+シンク横に自立 | 約2.5〜3.0万円 | |
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アクアセンチュリースマート MFH-S75 | ゼンケン | 20項目 | 活性炭+不織布+中空糸膜 | 12か月(1日20L)/総ろ過水量7,500L | 約1.5円 | 蛇口分岐+シンク横に自立 | 約2.1万円 | |
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ピュリフリー PF-4W | キッツマイクロフィルター | 20物質 | 活性炭+中空糸膜 | 24か月(1日10L)/総ろ過水量30,000L・本体ごと使い切り | 約1.7円 | 蛇口分岐+シンク横に自立 | 約1.2万円 | |
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nomot 2形 | メイスイ | 公表値なし | 不織布+ヤシガラ成型活性炭(イオン交換繊維配合)+中空糸膜 | 12か月(1日8L)/ろ材使用限界3,000L | 約2.5円 | カートリッジ一体型でコンパクト | 約2.0万円 | |
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アクアセンチュリープラス MFH-11K | ゼンケン | 20項目 | 活性炭+不織布+中空糸膜 | 12か月(1日30L)/総ろ過水量11,000L | 約1.4円 | 蛇口分岐+シンク横に自立 | 約2.2万円 | |
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ビュークリラ | ドリームバンク | 20項目 | 活性炭+中空糸膜 | 約36か月(1日50L)/総ろ過水量55,000L | 公表値なし | 蛇口分岐+シンク横に自立 | 約1.4万円 | |
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エミネントII EM802 | 三菱ケミカル・クリンスイ | 12+2物質 | 中空糸膜+活性炭(A・B 2本構成) | 12か月(1日25L) | 約1.3円 | 2本カートリッジぶんの横幅が要る | 本体は流通在庫(希望価格4.95万円) | |
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ビクラ浄水器2 MFH-V92 | ゼンケン | 20項目 | 活性炭+不織布+中空糸膜 | 12か月(1日20L)/総ろ過水量7,500L | 約1.5円 | 円筒型で設置面積が小さい | 希望価格3.3万円 | |
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磨水IV J207P | 水生活製作所 | 98項目+PFOA/PFOS | 4層の圧縮固形活性炭(ステンレスカバー) | 12か月(1日8L)/浄水能力3,000L | 約8.3円 | ステンレス外装で重量がある | 約8.6万円 | |
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マルチピュア 750CT | マルチピュアジャパン | 98項目 | 固形活性炭ブロック(ステンレス筐体) | 12か月 | 公表値なし | ステンレス筐体で最も存在感がある | 約15.2万円 |
各モデルの詳しい紹介
1位 三菱ケミカル・クリンスイ SuperSTX SSX880 — 据置型の標準を決めている1台

クリンスイは国内の家庭用浄水器で長く売れ筋の上位に入っているブランドで、SSX880はその据置型ラインの現行機にあたる。蛇口に分岐金具を付け、ホースで本体につなぐ標準的な方式で、工事は要らない。使い方はレバーで浄水と原水を切り替えるだけなので、置いてしまえば操作を覚える必要がない。
数字で見るとろ過流量3.0L/分が効いてくる。蛇口直結型は本体が小さいぶん流量が落ちやすく、コップ1杯を汲むのに待たされることがあるが、3L/分あれば鍋に水を張る用途でも実用に耐える。総ろ過水量は遊離残留塩素で35,000L、濁りで20,000Lと公表されており、カートリッジSSC8800の交換目安は1日20Lの使用で12か月である。
費用は本体が実売2.5万〜3.0万円、カートリッジが1.3万円台。1日20Lを1年使う前提で割ると1Lあたり約1.9円になる。宅配水の相場と比べれば桁が違うが、この記事の中では中位で、交換コストだけを見るなら下位機のほうが安い。ブランドの流通量が多く、カートリッジがホームセンターでも量販店でも手に入る点を対価と考えるかどうかで評価が分かれる。
なお、クリンスイはPFOS・PFOAの除去試験結果を公式サイトで公表している。対象になるカートリッジは型番ごとに指定されているので、この項目を重視するなら購入前に公式の一覧で自分の型番を確かめておきたい。
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2位 ゼンケン アクアセンチュリースマート MFH-S75 — 除去項目にPFOSとPFOAが明記されている

ゼンケンは据置型を主力に置いている国内メーカーで、アクアセンチュリーはその中核シリーズにあたる。MFH-S75は現行の標準機で、除去対象としてJIS S 3201の17項目に鉄(微粒子)、アルミニウム(中性)、PFOSおよびPFOAを加えた20項目を公表している。PFOSとPFOAを除去項目として明記している据置型はまだ多くないので、この点を条件に選ぶなら候補は絞られる。
スペックは総ろ過水量7,500L、ろ過流量3.0L/分、交換目安は1日20Lの使用で1年。SSX880と流量は同じで、総ろ過水量の公称値は小さく見えるが、これは基準にする物質が違うためで、そのまま寿命の差とは読めない。実際の交換タイミングはどちらも1年で揃う。
費用面は本体が実売2.1万円前後、交換カートリッジのC-MFH-KTが1.1万円。1日20Lを1年で割ると1Lあたり約1.5円で、SSX880より2割ほど安い。このカートリッジはシリーズ内で共通化されており、後述のアクアセンチュリープラスやビクラ浄水器2でも同じものが使える。将来買い替えるときに同じ在庫を使い回せるのは、地味だが効いてくる利点である。
弱点は流通量で、量販店の店頭に並んでいることは少なく、購入は通販が中心になる。カートリッジも同様なので、交換月をカレンダーに入れて早めに手配する運用が前提になる。
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3位 キッツマイクロフィルター ピュリフリー PF-4W — 2年使って本体ごと交換する

キッツマイクロフィルターは工業用や医療用のフィルターを手がけるメーカーで、家庭用としてはこのピュリフリーが主力になる。旧型番PF-W4の後継がPF-4Wで、中身の考え方は変わっていない。
この製品の特徴はカートリッジ交換ではなく本体ごとの使い切りという設計にある。1日10Lの使用で2年、総ろ過水量は遊離残留塩素で30,000Lまで使い、そこで丸ごと入れ替える。カートリッジの型番を覚える必要も、在庫を持つ必要もない。2年に1度、同じ製品をもう1台買えば済む。交換のたびに本体側の劣化がリセットされるので、パッキンの経年劣化による水漏れも起きにくい構造になっている。
ろ過流量は3.5L/分で、この記事の10製品では最も速い。米を研ぐ、野菜を洗う、鍋に水を張るといった水量が要る作業でも待たされない。実売は1.2万円前後で、2年ぶんの水量で割ると1Lあたり約1.7円。据置型としては本体価格が最も低い部類に入る。
割り切りが必要なのは、2年後に本体が必ずゴミになる点である。カートリッジだけを替えるタイプなら本体は10年使えることもあるので、廃棄の手間や資源の観点を気にするなら、この方式は合わない。逆に、交換忘れで性能が落ちた状態を使い続けるのが嫌だという人には、期限が本体寿命と一致しているこの設計が向く。
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4位 メイスイ nomot 2形 — カートリッジ一体型で置き場所を取らない

メイスイは業務用の浄水器で飲食店に入っていることが多いメーカーで、nomotはその家庭向けにあたる。カートリッジが本体と一体になっており、交換のときはカートリッジごと差し替える。設置工事は要らない。
濾材の構成は不織布、イオン交換繊維を配合したヤシガラ成型活性炭、中空糸膜の3層である。イオン交換繊維を活性炭に練り込む構成は据置型では珍しく、活性炭だけでは取りきれない成分を担当させる狙いがある。ろ過流量は3.0L/分で、上位機と同じ水準を確保している。
使い勝手の面では、吐水パイプが360度回るのと、レバーひとつで浄水、原水、原水シャワーの3つに切り替えられる点が実用的に効く。シンクの隅に置いても吐水位置を鍋の上まで振れるので、置き場所の自由度が高い。
費用は本体が2.0万円前後、交換カートリッジが7,260円。ただし、ろ材使用限界が3,000Lまたは12か月(1日8L)と、他機より短めに設定されている。1Lあたりに直すと約2.5円で、この記事の中位機の中では割高な部類に入る。1日に使う量が8Lより多い家庭では、1年を待たずに能力の上限に達する計算になるので、使用量が多いなら上位機を見たほうがいい。
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5位 ゼンケン アクアセンチュリープラス MFH-11K — 1日30Lを想定した容量設計

同じアクアセンチュリーの中で、MFH-S75より容量を上げた位置づけになる。総ろ過水量は11,000Lで、交換目安は1日30Lの使用で1年。多くの据置型が1日8Lから20Lを想定しているなかで、30Lを1年こなす設定は上限が高い。
除去項目は20項目でMFH-S75と同じ内容になる。JISの17項目に鉄、アルミニウム、PFOSおよびPFOAが加わる構成で、性能の差は容量に集約されていると考えていい。ろ過流量も同水準で、日常の使い勝手で不利になる点はない。
費用は本体が実売2.2万円前後、交換カートリッジのC-MFH-11Kが1.54万円。1日30Lを1年で割ると1Lあたり約1.4円になり、この記事の中で最も安い部類に入る。使う量が多いほど1Lあたりが下がる構造なので、飲用だけでなく調理でも浄水を使う家庭ほど有利になる。
注意点はカートリッジの型番で、MFH-S75やビクラ浄水器2が使うC-MFH-KTとは別物になる。シリーズ内で共通化されているものとされていないものが混在しているので、購入時は本体の型番から交換品を引く手順を踏んでおきたい。
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6位 ドリームバンク ビュークリラ — 交換が3年に1回で済む

ドリームバンクは据置型浄水器を主力に置く通販系のメーカーで、ビュークリラはその上位モデルにあたる。数字で目を引くのは総ろ過水量55,000Lという値で、1日50Lという多めの使用量を前提にしても約3年交換不要という計算になる。
浄水器を続けられなくなる理由の上位に、カートリッジの交換忘れと交換費用の負担感がある。3年に1回まで頻度が下がると、この2つの障害が実質的に消える。交換月をカレンダーに登録する運用が苦手なら、寿命の長さそのものが機能として効いてくる。
除去項目は20項目を公表しており、価格帯を考えると内容は充実している。本体は1.4万円前後で、逆流洗浄機構を備えたモデルも用意されている。逆流洗浄は濾材の目詰まりを水流で押し戻す仕組みで、長寿命設計と組み合わせる意味がある。
評価を保留する点はカートリッジ価格である。交換品の実売価格が販売ルートによって開きがあり、1Lあたりの単価を確定できなかった。総ろ過水量が大きいぶん単価は下がる方向に働くが、購入前に交換品の価格まで確認しておくのが確実である。
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7位 三菱ケミカル・クリンスイ エミネントII EM802 — 2本のカートリッジで役割を分ける

クリンスイの据置型で長く上位に置かれてきたモデルで、AとBの2本のカートリッジを直列に通す構成をとる。交換品のEMC0731AはAカートリッジとBカートリッジが各1個で1セットになっており、除去対象は12+2物質、交換目安は1日25Lの使用で1年である。
1本にすべてを詰め込むのではなく、2本に分けて段階的に処理する設計は、1本あたりの負荷が下がるぶん濾材を使い切りやすい。1日25Lという想定使用量も据置型としては多い側にあり、交換品の実売1.16万円から割ると1Lあたり約1.3円と、この記事で最も安い水準に収まる。
ただし本体の入手性には注意が要る。クリンスイの公式サイトでは本体が販売終了の扱いになっており、店頭や通販で見かけるのは流通在庫が中心になる。一方で交換カートリッジのEMC0731Aは継続して供給されているので、すでに本体を持っている場合は使い続けられる。
これから新しく買うなら、本体の在庫状況を確認したうえで判断することになる。2本構成ゆえに設置に必要な横幅も他機より広く、シンク横のスペースが限られている場合は先に採寸しておきたい。
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8位 ゼンケン ビクラ浄水器2 MFH-V92 — 円筒型で設置面積を抑える

アクアセンチュリーと同じゼンケンの製品だが、こちらは外観を優先した円筒型のシリーズになる。標準希望小売価格は33,000円(税込)で、本体色はブルー、グリーン、ピンクの3種類が用意されている。
中身はアクアセンチュリースマートと共通で、交換カートリッジはC-MFH-KTを共用する。除去項目は20項目、交換目安は1日20Lで1年、総ろ過水量7,500L、ろ過流量3.0L/分と、性能面での違いはない。1Lあたりの交換コストも約1.5円で同じになる。
この機種を選ぶ理由は設置面積と見た目にある。角のない円筒形なので、シンク横の狭い隙間に収まりやすく、キッチンに出しっぱなしにしたときの圧迫感が少ない。据置型は使う頻度が高いぶん常時出しておく前提の道具なので、この差は毎日効いてくる。
価格はアクアセンチュリースマートより1万円ほど高い。中身が同じである以上、この差額は外観と設置性に対して払うものだと割り切れるかどうかで判断が分かれる。性能で選ぶなら2位のMFH-S75、キッチンの見た目を優先するならこちらになる。
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9位 水生活製作所 磨水IV J207P — NSF認証カートリッジで除去項目を積む

ここから価格帯が変わる。磨水IVは水生活製作所の据置型で、実売は8.6万円前後。中位機の4倍近い価格になるが、その根拠はカートリッジの中身にある。
カートリッジのJ205P-Kは米国NSFの認証を受けた圧縮固形活性炭を4層にした構成で、除去対象は98項目にPFOAとPFOSを加えた内容が公表されている。中空糸膜を使う一般的な据置型が十数項目から20項目を対象にしているのに対し、桁がひとつ違う。抗菌剤として銀を使わない設計で、外装はステンレス、製造は日本国内である。
コストの構造は他機と大きく異なる。カートリッジが2.42万円、浄水能力が3,000L、交換目安が1日8Lで12か月なので、1Lあたりに直すと約8.3円になる。中位機の4倍から6倍で、水を大量に通す使い方には向かない。飲用と、赤ちゃんのミルクなど用途を絞って使う前提の設計だと考えたほうが実態に合う。
ろ過流量も2L/分と、中位機の3L/分より遅い。圧縮した活性炭に時間をかけて通す構造なので、速度と除去項目数はここでトレードオフになっている。米研ぎや野菜洗いまで浄水で賄いたいなら、この機種ではなく流量の速い機種を選ぶことになる。
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10位 マルチピュアジャパン マルチピュア 750CT — 除去項目数で選ぶ最上位

マルチピュアは米国発の浄水器ブランドで、750CTはそのカウンタートップ型にあたる。参考価格は15.18万円で、この記事では突出して高い。
除去対象は98項目を公表しており、磨水IVと同じ水準にある。濾材は固形活性炭ブロックで、水を圧力で押し通す構造をとる。筐体はステンレスで、家庭用の調理家電というより設備に近い見た目になる。交換目安は12か月である。
この価格帯を検討する条件は限られる。井戸水や、水源の性質から特定の物質を気にする理由がある場合、あるいは除去項目数そのものを判断基準に据えている場合である。一般的な水道水を飲みやすくしたいという動機であれば、1位から5位までの2万円台の機種で目的は足りる。
交換カートリッジの実売価格は販売ルートによって差があり、1Lあたりの単価を確定できなかった。本体価格に加えて年間の維持費が乗ることになるので、導入前に交換品の価格と入手経路まで確認しておく必要がある。輸入品のため、供給が止まったときに代替が効きにくい点も見ておきたい。
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選び方のポイント
除去物質数は数え方が統一されていない
据置型のスペック表で最初に目が行くのが除去物質数だが、この数字はメーカー間で直接比べられない。基準になっているのは家庭用品品質表示法とJIS S 3201で、対象物質は13から17へ拡大された経緯がある。これに日本浄水器協会が定める独自の2項目を足すかどうか、鉄やアルミニウムを別立てで数えるかどうか、PFOSとPFOAを1項目とするか2項目とするかで、同じ性能でも表記が変わる。「17+2」と「20項目」が実質的に同じ内容を指していることもある。数字の大小ではなく、内訳のリストを見るのが正しい読み方になる。特定の物質を気にしているなら、その名前が除去対象一覧に載っているかを確認したほうが早い。
濾材の組み合わせで担当する物質が変わる
据置型の濾材は活性炭、中空糸膜、イオン交換樹脂の3種類を組み合わせるのが基本になる。活性炭は残留塩素やカビ臭、トリハロメタンといった溶けている成分を吸着する。中空糸膜は細かい穴のフィルターで、濁りや粒子を物理的に止める。イオン交換樹脂は溶解性鉛のような金属イオンを捕まえる。1位から8位までの中位機はこの3つの組み合わせで、比率と構成に各社の違いが出る。9位と10位の高価格機は圧縮した固形活性炭を主役に据えており、水を通す速度を落とすかわりに接触時間を稼ぐ設計になっている。除去項目数の差は、この構造の違いから来ている。
交換コストは1Lあたりに直してから比べる
カートリッジの価格だけを見ても比較にならない。7,260円で3,000Lのものと、1.54万円で10,950Lのものでは、後者のほうが1Lあたりでは安い。計算はカートリッジの実売価格を、メーカーが公表する交換目安の水量で割るだけである。この記事の10製品では1Lあたり1.3円から2.5円が中心帯で、高価格機は8円を超える。ここで注意したいのは、カタログの総ろ過水量をそのまま分母に使わないことである。総ろ過水量は遊離残留塩素を基準にした値であることが多く、実際の交換は期間で来る。期間と使用量から求めた実使用量で割るほうが、実感に近い数字になる。
ろ過流量は浄水を使う範囲を決める
ろ過流量は1分あたりに出る浄水の量で、据置型では2L/分から3.5L/分に分布する。飲用だけなら1L/分でも困らないが、米を研ぐ、野菜を洗う、鍋に水を張るといった用途まで浄水で賄うなら3L/分は欲しい。流量が足りないと、結局その作業だけ原水に切り替えることになり、浄水器を置いた意味が薄れる。この記事ではピュリフリーPF-4Wの3.5L/分が最も速く、磨水IV J207Pの2L/分が最も遅い。流量と除去項目数は逆方向に動くので、どちらを取るかは使い方から決めることになる。
設置方式は3種類あり、据置型は工事が要らない
浄水器の設置方式は、蛇口に直接付ける直結型、シンク横に本体を置く据置型、シンク下に隠すビルトイン型(アンダーシンク型)の3つに分かれる。据置型は蛇口に分岐金具を取り付け、そこからホースで本体につなぐ。工具は付属することが多く、工事は要らない。確認すべきなのは自宅の蛇口の形状に合う分岐金具が付属しているかという1点で、泡沫キャップの外径やネジの規格が合わないと取り付けられない。シャワーヘッド一体型の蛇口や、センサー式の水栓は対応しないことがある。購入前に蛇口の先端の形を写真に撮って、メーカーの適合表と照らしておくと確実である。
蛇口直結型・宅配水との比較
3方式のコストの出方が違う
据置型、蛇口直結型、宅配水の3つは、費用の発生の仕方がそれぞれ異なる。据置型は本体1.2万円から3万円台を最初に払い、その後は年1回のカートリッジ代1万円前後が続く。蛇口直結型は本体が3,000円から6,000円と安いかわりに、カートリッジが小さいぶん交換周期が2か月から4か月と短く、年間で見ると1万円前後になることが多い。宅配水やウォーターサーバーは本体を無償にするかわりに水代とサーバーレンタル料が毎月かかり、年間では3万円から5万円台に届く。
初期費用を除いた年間の維持費で並べると、据置型と蛇口直結型はどちらも1万円前後で近く、宅配水はその3倍から5倍になる。据置型の本体代は2年から3年で回収される計算になり、それ以降は蛇口直結型と同等の維持費で、より大きなカートリッジと速い流量を使えることになる。
用途で適性が分かれる
蛇口直結型が向くのは、飲用だけに使いたい単身世帯や、初期費用を抑えたい場合である。本体が小さく置き場所を取らず、賃貸でも設置の抵抗が少ない。ただし流量が落ちやすく、カートリッジ交換が年に3回から6回来るので、交換を忘れやすい人には向かない。
据置型が向くのは、飲用に加えて調理でも浄水を使いたい世帯である。3L/分の流量があれば作業を止めずに済み、交換は年1回で管理できる。シンク横に本体を置くスペースと、蛇口に分岐金具を付けられることが条件になる。
宅配水が向くのは、水を運ぶ手間を金で解決したい場合と、冷水や温水がすぐ出ることに価値を感じる場合である。逆に言えば、白湯やお茶のために湯を沸かす手間を許容できるなら、据置型で同じ目的は達成できる。冬にお湯を使う量が増える時期にサーバーの温水機能は便利だが、その利便性に年間3万円以上を払い続けるかどうかが判断の分かれ目になる。
浄水器プランと据置型は目的が重ならない
ウォーターサーバー各社が提供する水道直結型のプランは、水道水を機器内で浄化してから冷温水として出す仕組みで、月額は3,000円台から4,000円台が中心になる。据置型のカートリッジ代を月割りすると1,000円前後なので、差額は冷温水の即時供給に対して払っていることになる。この差額に見合う価値があるかは、家庭で沸かす湯の量で決まる。1日に何度も湯を沸かす生活なら回収できるし、朝と夜に電気ケトルを使うだけなら据置型のほうが合う。
用途別のおすすめ
白湯やお茶を毎日飲む
湯を沸かす前提なら、必要なのは味と流量であって冷温機能ではない。クリンスイ SuperSTX SSX880は3L/分で電気ケトルを一度に満たせて、カートリッジも年1回で済む。交換の管理そのものを減らしたいなら、3年交換不要のドリームバンク ビュークリラが候補になる。
料理でも浄水を使いたい
米研ぎや野菜洗いまで浄水で賄うと使用量が一気に増えるので、流量と容量の両方が要る。キッツマイクロフィルター ピュリフリー PF-4Wは3.5L/分でこの記事では最速。使用量が多い前提なら、1日30Lを1年こなす設計のゼンケン アクアセンチュリープラス MFH-11Kが交換コストでも有利になる。
賃貸のマンションに設置する
原状回復を考えると、工事を伴わず本体も小さいものが扱いやすい。メイスイ nomot 2形はカートリッジ一体型で設置面積が小さく、吐水パイプが360度回るので狭いシンクでも置き場所を選びやすい。2年で本体ごと入れ替えるピュリフリー PF-4Wも、退去時に処分すればいいという点で身軽である。どちらも購入前に蛇口の形状と適合表の照合は必要になる。
ペット用や離乳食用に使いたい
用途を絞って少量だけ使うなら、1Lあたりの単価が高くても総額は膨らみにくい。除去項目の多さを基準にするなら、98項目とPFOA・PFOSを公表する水生活製作所 磨水IV J207Pが該当する。価格を抑えつつ除去対象にPFOSとPFOAを含めたいならゼンケン アクアセンチュリースマート MFH-S75で、2万円台から選べる。いずれも公表されているのは特定物質を除去できるという性能であり、健康上の効果を保証するものではない点は分けて考えたい。
まとめ TOP3
まず1台目を選ぶなら → クリンスイ SuperSTX SSX880
ろ過流量3.0L/分で調理まで賄え、カートリッジは年1回。実売2.5万〜3.0万円で、交換コストは1Lあたり約1.9円になる。決め手は流通量で、カートリッジのSSC8800がホームセンターでも量販店でも手に入る。据置型を初めて置くなら、交換品の入手に困らないことが一番効いてくる。
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除去項目とコストの両立なら → ゼンケン アクアセンチュリースマート MFH-S75
JISの17項目に鉄、アルミニウム、PFOSおよびPFOAを加えた20項目を公表し、実売2.1万円。交換カートリッジは1.1万円で1Lあたり約1.5円と、SSX880より2割安い。同じC-MFH-KTがシリーズの他機と共通なので、買い替えても在庫を使い回せる。購入が通販中心になる点だけ織り込んでおきたい。
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初期費用と手間を抑えるなら → キッツマイクロフィルター ピュリフリー PF-4W
実売1.2万円で据置型としては本体価格が最も低く、ろ過流量3.5L/分はこの記事で最速。1日10Lで2年使い、そこで本体ごと入れ替える。カートリッジの型番を覚える必要も在庫を持つ必要もないので、交換の管理が続かない人に向く。2年後に本体が廃棄になる点だけ割り切れるかどうかで決まる。
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よくある質問
浄水シャワーやRO水とは何が違いますか?
浄水シャワーは浴室のシャワーヘッドに濾材を仕込んだもので、主に残留塩素を対象にしています。飲用ではなく肌や髪に当たる水を扱う製品なので、キッチンの浄水器とは用途が別です。RO水は逆浸透膜(Reverse Osmosis)で処理した水で、極めて細かい膜を通すためミネラル分まで含めて除去します。据置型の多くが使う活性炭と中空糸膜の組み合わせはミネラルを通す設計なので、この点が根本的に違います。RO方式は本体価格と設置条件のハードルが高く、排水も出ます。水道水を飲みやすくする目的なら、この記事で扱った方式で足ります。
カートリッジは他社の互換品を使えますか?
物理的に入る形状の互換品が売られていることはありますが、メーカーは純正以外の使用を保証していません。互換品を使った状態で水漏れや性能低下が起きても、本体の保証対象から外れる可能性があります。また、互換品の除去性能はJISの試験に基づく公表値がないことが多く、何をどれだけ除去できるかを確認できません。浄水器を置く目的が特定の物質を除去することにある以上、性能を確認できない濾材に替えると目的そのものが崩れます。純正品を使うのが確実です。
設置に工事は必要ですか?
据置型は工事不要です。蛇口の先端の泡沫キャップを外して分岐金具を取り付け、そこから本体へホースをつなぐだけで、必要な工具は付属することがほとんどです。確認が要るのは蛇口の形状で、分岐金具のネジ規格や外径が合わないと取り付けられません。シャワーヘッド一体型の蛇口、センサー式の自動水栓、特殊な形状の輸入水栓は対応しないことがあります。購入前に蛇口の先端を写真に撮り、メーカーが公開している適合表と照らし合わせておくと確実です。賃貸でも分岐金具は元に戻せるので、退去時の原状回復に支障はありません。
水質検査はしたほうがいいですか?
水道水を使っているなら、通常は必要ありません。水道事業者が定期的に水質検査を行い、結果を公表しているためです。自分の住む地域の水質は、水道局のサイトで管轄区域ごとの検査結果を確認できます。検査を検討する意味があるのは、井戸水や湧き水を使っている場合、築年数の古い建物で給水管の材質が気になる場合、味やにおいに明らかな変化が出た場合です。この場合は自治体の窓口や登録検査機関に相談すると、項目と費用の目安を教えてもらえます。浄水器を選ぶ前に何を除去したいかがはっきりするので、順序としては検査が先になります。
カートリッジの使用期限を過ぎたらどうなりますか?
濾材が吸着できる量には限界があり、それを超えると除去性能は徐々に落ちます。急に止まるのではなく、少しずつ通り抜けが増えていくので、味の変化として気づくころにはかなり過ぎていることがあります。もうひとつの問題は衛生面で、濾材に留まった水が長期間そのままになると内部で細菌が増える可能性があります。とくに中空糸膜を使う機種は、長期間使わずに放置してから再開する場合、取扱説明書に従って捨て水をしてから使う必要があります。交換目安は「1日◯L使用で◯か月」という条件付きで示されているので、使用量が想定より多い家庭では期間より早く上限に達します。総ろ過水量と実際の使用量から自分の交換周期を計算し直しておくと、目安の期間に引きずられずに済みます。

