衣替えでクローゼットの奥からニットを引っ張り出すと、脇腹と袖口に白い毛玉が点々と浮いている。去年の自分がそのまま畳んだやつである。hikaku-manである。2026年8月時点で買える電動毛玉取り器10モデルを、刃径・電源方式・風合いガード・くず受け容量の4軸で並べ直した。
この時期に調べ直した理由は単純で、クリーニングに出しても毛玉は取れないからだ。ニット1点のクリーニングは数百円から千円台が目安だが、料金表の基本コースに毛玉取りは含まれないことが多く、別料金のオプション扱いになる店が少なくない。数着ぶん出すたびに加算されていくくらいなら、本体2千〜5千円の機械を1台置いた方が計算が合う。
衣類スチーマーでも洋服ブラシでもガムテープでもない。回転する刃で毛玉だけを切り取る電動の専用機に絞って並べた。スチーマーはシワと臭い、ブラシはホコリと毛並み、粘着ローラーは表面の糸くずが守備範囲であり、繊維が絡んで玉になったものを切除する道具は別に要る。
- 性能差が最も出るのは刃径。50mm級の大型刃はコートやカーペットを一気に処理でき、小径機は袖口や襟まわりの細部に強い
- 電源方式は3系統。交流式(パワー重視)/乾電池式(手軽さ重視)/USB充電式(コードレス)で使い勝手がはっきり分かれる
- 風合いガードの段数が生地を守る要。カシミヤやモヘアのような起毛素材ほど段数の多い機種が扱いやすい
- くず受け容量は快適さに直結する。容量が小さいとコート1着の途中で満杯になり、その都度手が止まる
- 刃は消耗品である。替刃が単体で買えるかを購入前に確認しておくと、数年単位で使い続けられる
- 比較一覧表
- 電動毛玉取り器おすすめランキング
- 1位 テスコム 毛玉トレタ KD901 — 素材ごとに設定を変えられる万能機
- 2位 テスコム 毛玉クリーナー KD778 — 大量処理の定番、コード式の安心感
- 3位 マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW722 — 着たまま処理できるモード切替
- 4位 パナソニック 毛だまクリーナー 風合い残し ER857P-A — 起毛素材を潰さない乾電池機
- 5位 マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW87-K — 海外電圧に対応する持ち出し枠
- 6位 STEAMERY Pilo 2 ファブリックシェーバー — 出しっぱなしにできる見た目
- 7位 ティファール 充電式毛玉クリーナー — コードレスの入門として素直
- 8位 フィリップス 毛玉取り 電動 — 単3電池2本で動く最小構成
- 9位 TORRAS 毛玉取り器 — 速度を落として使える6枚刃
- 10位 Sunytree 毛玉取り器 — 残量が見える最安クラス
- 選び方チェックリスト
- まとめ TOP3
- よくある質問
比較一覧表
まず10モデルを並べる。価格は2026年8月時点の実売の目安であり、時期やカラーによって変わることがある。刃径はメーカー公表値、記載のない機種は「非公表」とした。除去性能の数値は各社で試験条件が異なるため横並びにはしていない。
| 順位 | 製品名 | 価格帯(実売目安) | 刃径 | 電源 | 主要機能 | リンク |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | テスコム 毛玉トレタ KD901 | 約3.5千〜5千円 | 大型刃(日本製) | 充電・交流両用 | 5段階風合いガード・デリケートガード・ブラシヘッド付属 | |
| 2位 | テスコム 毛玉クリーナー KD778 | 約2千〜3千円 | 直径52mm | 交流式(AC) | 3段階風合いガード・大型刃・電池切れなし | |
| 3位 | マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW722 | 約3千〜4.5千円 | 直径52mm | 充電・交流式 | care/powerモード切替・ふわふわガード・着たままカット | |
| 4位 | パナソニック 毛だまクリーナー 風合い残し ER857P-A | 約2.5千〜3.5千円 | 非公表(中型) | 乾電池式 | 風合い残し設計・連続約60分・毛くず飛散を抑制 | |
| 5位 | マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW87-K | 約3千〜4.5千円 | 大型刃 | 充電・交流式(100-240V) | 海外電圧対応・デリケート外刃・スタンダード形状 | |
| 6位 | STEAMERY Pilo 2 ファブリックシェーバー | 約6千〜8千円 | 刃幅約5cm・6枚刃 | USB充電式 | 毎分約9,000回転・本体約152g・北欧デザイン | |
| 7位 | ティファール 充電式毛玉クリーナー | 約3千〜4.5千円 | 非公表(中型) | USB充電(給電併用可) | 3枚刃・風合いガード・ステンレス刃 | |
| 8位 | フィリップス 毛玉取り 電動(乾電池式) | 約1.5千〜2.5千円 | 非公表(小型) | 乾電池式(単3×2) | 3枚刃・風合いガード・最大毎分約8,800回転 | |
| 9位 | TORRAS 毛玉取り器(6枚刃) | 約2.5千〜4千円 | 非公表(6枚刃) | USB Type-C充電 | 3段階スピード調整・衣類保護機構・日本製ステンレス刃 | |
| 10位 | Sunytree 毛玉取り器(LCD表示) | 約1.5千〜2.5千円 | 非公表(6枚刃) | USB Type-C充電 | 3段階パワー調整・バッテリー残量LCD・替刃付属 |
価格帯は1.5千〜8千円。国内メーカーの主力機が2千〜5千円、海外デザイン系が6千円台、無名ブランドの入門機が1.5千円台という三層構造になっている。ニット用に1台、コート・カーペット用に大型刃を1台という2台持ちでも、合計5千〜8千円に収まる。
電動毛玉取り器おすすめランキング
1位 テスコム 毛玉トレタ KD901 — 素材ごとに設定を変えられる万能機
テスコムの上位機。5段階の風合いガードに加え、タイツなどの薄手向けデリケートガードとカーペット用ブラシヘッドが付属し、充電と交流の両方で動く。実売3.5千〜5千円。
1位に置いた理由は対応範囲の広さである。毛玉取り器で失敗が起きるのは、生地に対して刃が近すぎたときだ。風合いガードは刃と生地の距離を段階的に調整する仕組みで、段数が多いほど「薄手のカットソーからカーペットまで」を1台で担当できる。充電式で使いつつ、電池が切れたらコードを挿してそのまま続けられるのも実用的だ。細かい襟まわり専用に小径機を足す構成なら死角が減る。
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2位 テスコム 毛玉クリーナー KD778 — 大量処理の定番、コード式の安心感
テスコムの交流式モデル。直径52mmの大型刃と3段階の風合いガードを備え、コンセントに挿しっぱなしで使うためパワーが落ちない。実売2千〜3千円。
衣替えのタイミングで10着まとめて処理する、という使い方に一番強い。充電式は連続稼働の途中でトルクが落ちることがあるが、交流式は最初の1着目と最後の1着目でパワーが変わらない。コードが届く場所でしか使えないので、リビングの床にコートを広げて処理する運用が前提になる。持ち運んで使いたいなら1位か3位を選ぶ方がいい。
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3位 マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW722 — 着たまま処理できるモード切替
イズミの現行主力機。直径52mmの大型刃に、生地をいたわるcareモードと一気に刈るpowerモードの切替、ふわふわガードを組み合わせた充電・交流式。実売3千〜4.5千円。
着用したままカットできる設計を掲げている点が他機との違いになる。出かける直前に袖口の毛玉に気づいたとき、いちいち脱いで台に広げるのは面倒だ。careモードなら生地を強く引き込まないため、着たまま軽く当てる使い方に振れる。ただし着たまま使う場合はどの機種であっても押し付けず、皮膚のある位置には当てないのが原則である。
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4位 パナソニック 毛だまクリーナー 風合い残し ER857P-A — 起毛素材を潰さない乾電池機
パナソニックのロングセラー。製品名のとおり毛玉だけを切って風合いを残す設計で、乾電池式ながら連続約60分動き、毛くずの飛散を抑える。実売2.5千〜3.5千円。
強い機械で刈り込むと、毛玉と一緒に生地の毛足まで削れて表面がテカることがある。本機は起毛したニットやフリースの見た目を変えにくい方向にチューニングされているのが持ち味で、お気に入りの1着を扱うときの安心感が違う。乾電池式なので充電を待つ必要がなく、年に数回しか使わない人ほど相性がいい。裏返せばコートを何着も一気に処理するパワー勝負には向かない。
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5位 マクセルイズミ 毛玉とるとる KC-NW87-K — 海外電圧に対応する持ち出し枠
イズミの充電・交流式モデル。100V〜240Vの海外電圧に対応し、デリケート素材向けの外刃を備えるスタンダード形状。実売3千〜4.5千円。
出張や長期滞在にスーツを持っていく人には、この電圧対応が地味に効く。変圧器なしで現地のコンセントから充電できるため、滞在先でスーツの肩まわりを整えられる。国内でしか使わないなら3位のKC-NW722の方が機能は新しいので、海外電圧という条件がはっきりある場合の選択肢と考えるのが正しい。
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6位 STEAMERY Pilo 2 ファブリックシェーバー — 出しっぱなしにできる見た目
スウェーデン発のガーメントケアブランドの毛玉取り器。刃幅約5cmの6枚刃が毎分約9,000回転し、本体約152gと軽いUSB充電式。実売6千〜8千円。
他の9モデルとは評価軸がひとつ違う。クローゼットの棚や玄関に出したままでも生活感が出ない形をしているため、しまい込まれずに済む。毛玉取り器が使われなくなる最大の原因は性能ではなく「引き出しの奥に入れて忘れる」ことなので、この点は稼働率に直結する。充電は約2.5時間で稼働約2時間が目安。同価格帯の国内機より風合いガードの段数は控えめなので、繊細な素材が多いなら1位と併用したい。
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7位 ティファール 充電式毛玉クリーナー — コードレスの入門として素直
ティファールのUSB充電式モデル。3枚刃とステンレス刃、風合いガードを備え、充電しながらの使用にも対応する。実売3千〜4.5千円。
調理家電で名前を知っているブランドを選びたい、という動機は実は合理的で、国内に問い合わせ窓口があり替刃の入手経路がはっきりしていることが数年使う前提では効いてくる。3枚刃なので6枚刃機に比べると一度に刈れる量は控えめだが、ニット数着を月に一度整える程度の頻度なら不足は出にくい。カーペットまで担当させたいなら大型刃機へ上げる。
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8位 フィリップス 毛玉取り 電動 — 単3電池2本で動く最小構成
フィリップスの乾電池式モデル。単3電池2本で最大毎分約8,800回転し、3枚刃と風合いガードを備える。実売1.5千〜2.5千円。
充電も専用アダプタも要らないという一点で選ぶ機種である。実家や旅行先に放り込んでおいて、必要になったらコンビニで電池を買えば動く気軽さは、充電式にはない性質だ。回転数は公表値のうえでは高い部類に入るが、電池の残量が減るとパワーが落ちるため、コート1着を丸ごと処理するような長時間作業では予備電池を用意しておきたい。
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9位 TORRAS 毛玉取り器 — 速度を落として使える6枚刃
TORRASのUSB Type-C充電モデル。6枚刃に3段階のスピード調整と衣類保護機構を組み合わせ、日本製ステンレス刃を採用する。実売2.5千〜4千円。
6枚刃は刈る力が強い反面、薄手の生地では引き込みが起きやすい。スピードを最低段まで落とせる機種は、刃の枚数が多くても薄手に当てやすくなるため、パワーと安全の両取りを狙える。Type-C充電なのでスマホと同じケーブルで済むのも取り回しがいい。国内メーカーほどガードの段数が細かくないため、カシミヤのような素材は当てる前に目立たない裾で試す方が無難だ。
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10位 Sunytree 毛玉取り器 — 残量が見える最安クラス
SunytreeのUSB Type-C充電モデル。6枚刃・3段階パワー調整に加え、バッテリー残量をLCDで表示し、替刃が付属する。実売1.5千〜2.5千円。
この価格帯で残量表示が付くのは実用上ありがたい。作業の途中で止まるのを避けられるので、コートやカーペットのような長丁場でも段取りが立つ。一方で無名ブランドは型番と仕様が予告なく変わることがあり、数年後に同じ替刃が手に入る保証は薄い。「まず1台試して、使い倒すなら国内メーカーへ買い替える」という位置づけで持つのが現実的である。
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選び方チェックリスト
hikaku-manが10モデルを並べ直して分かったのは、この道具の選択は「どの生地に、どれくらいの量を、どこで当てるか」の3点でほぼ決まるということだ。分岐軸を順に整理しておく。
- 刃径で処理速度が決まる。50mm級の大型刃はコート・カーペット・毛布のような面積の広い対象を一気に刈れる。小径機は襟・袖口・脇の縫い目まわりのような細部で小回りが利く。面積の広い対象が多いなら大型刃を優先する
- 刃の枚数と回転方式を見る。3枚刃は当たりが穏やかで薄手向き、6枚刃は一度に刈れる量が多い代わりに薄手では引き込みが起きやすい。6枚刃を選ぶなら速度を落とせる機種にする
- 風合いガードの段数が生地を守る。刃と生地の距離を調整する仕組みで、段数が多いほど扱える素材の幅が広がる。カシミヤ・モヘア・アンゴラのような起毛素材を持っているなら5段階級を選ぶ
- パワー調整の有無で失敗の確率が変わる。強一択の機種は薄手のカットソーやタイツで生地を巻き込みやすい。care/powerのようなモード切替がある機種の方が守備範囲は広い
- 電源方式は使う場所で決める。交流式(AC)は長時間パワーが落ちない代わりに場所を選ぶ。乾電池式は充電待ちがなく持ち出しに強いが残量とともにパワーが落ちる。USB充電式はコードレスで取り回しが良く、給電しながら使える機種なら弱点が消える
- くず受け容量は快適さの差になる。容量が小さいとコート1着の途中で満杯になり、その都度ふたを開けて捨てることになる。まとめて処理する使い方が多いなら大きい方が手が止まらない
- 替刃が単体で買えるかを確認する。刃は消耗品で、切れ味が落ちた状態で使うと毛玉が切れずに生地だけ引っ張られる。国内メーカーは部品ショップで替刃を扱っていることが多い
使うときは押し付けないことが最大のコツである。生地を平らな台に広げ、シワを伸ばし、本体の重さだけで滑らせる。生地を手で引っ張りながら当てると、伸びた部分に刃が食い込んで穴があくことがある。毛玉取り器は毛玉を減らす道具であって、毛玉ができなくなる道具ではない点も先に押さえておきたい。
まとめ TOP3
10モデルから「衣替えのシーズンに実際に手が伸びるか」の観点で用途別に3機種を挙げる。
- 毎日ニットを着るなら テスコム 毛玉トレタ KD901 — 5段階の風合いガードとデリケートガードで薄手から厚手まで設定を変えられ、充電でもコードでも動く。1台で守備範囲を広く取りたいときの基準機。
- 週末にスーツを整えるなら パナソニック ER857P-A — 毛玉だけを切って風合いを残す設計で、肩やヒップまわりのテカりを招きにくい。乾電池式なので出発前に思い立ってすぐ動かせる。
- コートや厚手をまとめて処理するなら テスコム KD778 — 直径52mmの大型刃と交流式の組み合わせで、10着並べても最後までパワーが落ちない。カーペットや毛布まで担当させられる。
よくある質問
Q. 毛玉取り器を使うと生地が傷みませんか?
使い方次第で結果が大きく変わる。傷みが出るのはたいてい刃を生地に押し付けたときと、生地を手で引っ張りながら当てたときである。平らな台に広げてシワを伸ばし、本体の重さだけで滑らせれば、リスクはかなり下がる。素材面では、カシミヤ・モヘア・アンゴラのような起毛素材と、ニットの縫い目・リブ編みの部分が要注意だ。風合いガードの段数が多い機種を選び、最初は目立たない裾や内側で試してから本番に移るのが安全である。なお毛玉取り器は毛玉を減らす道具であり、以後まったく毛玉ができなくなるわけではない。
Q. 刃径は大きいほど良いのですか?
対象によって答えが変わる。コート・カーペット・毛布のような面積の広い対象では大型刃が圧倒的に速いのは確かだが、襟の内側・袖口・脇の縫い目のような狭い部分では、大型刃の丸い面が生地に均等に当たらず処理しにくい。逆に小径機でコートを丸ごと処理しようとすると時間がかかりすぎて途中で嫌になる。実用的な結論としては、面積の広い対象が多いなら50mm級を主力にし、細部が気になるなら小型の乾電池機を2台目に足す構成が扱いやすい。1台だけ選ぶなら、手持ちの衣類で面積の大きい方に合わせるのが後悔しにくい。
Q. 電源方式はどれを選べばよいですか?
使う場所と処理量で決まる。交流式(AC)はコンセントのある場所限定だが、10着まとめて処理しても最初と最後でパワーが変わらない。衣替えでまとめて片付けるスタイルならこれが噛み合う。乾電池式は充電待ちがなく、年に数回しか使わない人や実家・旅行先に持ち出す用途に強い反面、残量が減るとパワーが落ちる。USB充電式はコードレスで取り回しが良く、給電しながら使える機種ならACの利点も取り込める。国内メーカーの上位機に多い充電・交流の両用タイプは、この選択そのものを回避できる構成になっている。
Q. そもそも毛玉ができにくくする方法はありますか?
完全に防ぐことは難しいが、発生を減らす方向の対処はある。毛玉は繊維同士の摩擦で起きるため、洗濯ネットに入れて洗う、裏返して洗う、脱水時間を短めにするといった摩擦を減らす工夫が効く。着用面では、同じニットを連日着るより1日休ませる方が繊維が回復しやすいとされる。バッグのショルダーが当たる肩、椅子の背が当たる背中、袖と机がこすれる前腕といった摩擦の集中する箇所は、どう扱っても毛玉が出やすい。発生をゼロにする前提ではなく、出たものを短時間で刈る道具を1台持っておく方が現実的である。
Q. 手動の毛玉取りブラシとどう違うのですか?
役割が分かれる。電動機は回転刃で毛玉を切除するため、すでに固く玉になったものを短時間で除去できるのが強みで、コートやカーペットのような広い面積を処理する速度は手動と比べものにならない。一方で猪毛・馬毛のブラシは毛玉になる前の浮いた繊維を寝かせて整える予防寄りの道具で、生地を切らないぶん素材への負担が小さい。順序としては、ブラシで日常的に毛並みを整えつつ、それでも育ってしまった毛玉をシーズンの節目に電動機で刈る、という併用が噛み合う。どちらか一方で完結させる必要はない。

