【2026年版】窓拭きロボット比較9選|高所窓を任せる基準

窓拭きロボット 比較10選 ガジェット・暮らし

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窓拭きロボットはガラス面に吸着して自動で拭く家電だ。公開スペックの厚みで選ぶならHUTT10、小さな窓ならECOVACS MINI2。30代ITコンサルの僕(hikaku-man)が9機種比較。

高い位置にある小窓や吹き抜けの窓は、脚立に乗って手を伸ばしても届かない。届かない場所は掃除しない場所になり、掃除しない場所は数年後に「もう手遅れ」になる。窓拭きロボットはその手遅れを機械で先送りする家電で、要するにガラスに張り付いて自分で歩く。この記事では、公式の商品情報で実在を確認できた9機種を、吸引力・停電時の保持・水の供給方式・本体サイズの4軸で並べ直した。

今回は方針を変えて、AmazonとRakutenの公式APIで商品ページを引けたものだけに絞っている。窓拭きロボットは型番の入れ替わりが早く、数年前の比較記事に出てくる機種はもう買えないことが多い。リンクを踏んだ先に商品が無い記事ほど読者に失礼なものはないので、実在を確認できた9機種だけを載せた。名前を知っているブランドが見当たらないなら、それは落選したのではなく確認が取れなかっただけである。

並べ替えの軸は身も蓋もない。落ちないこと水をどこから出すかその窓に物理的に入るか。使い心地の話は一切していない。商品ページに書いてある数字と、書いていない数字の量で並べた。

  • メーカー公表の吸引力は2,800Paから8,000Paまで3倍近い開きがある。最大はECOVACS MINI2の8,000Pa、最小は名前にPROが付くECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボットの2,800Pa。名前と数字は一致しない
  • そもそも吸引力をPaで公開していない機種が4台ある。HOBOT-388 窓拭きロボット、HOBOT R3 窓拭きロボット、HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能、ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除の4台は「強力吸引」としか書かれていない
  • 本体タンクを持つのはHUTT10とHUTT DDC55proの80ml、AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレーの60mlの3台だけ。残りはスプレーノズルか超音波ミストで、給水の考え方がそもそも違う
  1. 窓拭きロボットの比較一覧表
  2. 本気でおすすめできる窓拭きロボットランキング9選
    1. 1位 HUTT10 — 丸と四角を1台に詰め込んだ、公開情報がいちばん厚い一台
    2. 2位 ECOVACS MINI2 — 一辺215mm。窓のほうが小さい家の本命
    3. 3位 HUTT DDC55pro — 毎分70回転。プロの手つきを機械でやる
    4. 4位 HOBOT-388 窓拭きロボット — 日本語サポートを掲げる、この分野の定番
    5. 5位 HOBOT R3 窓拭きロボット — 兄との違いはノズルの数、というシンプルな話
    6. 6位 ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除 — 防犯バーの内側に手を入れる小型機
    7. 7位 ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボット — PROを名乗る機種の吸引力が、今回いちばん小さかった
    8. 8位 AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレー — 数字が素直で、余計なことを言わない
    9. 9位 HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能 — スペックではなく、売り方で選ぶ一台
  3. 選び方ガイド|窓拭きロボットで失敗しない3つの分岐点
    1. 1. 落ちない根拠は、Paと分と荷重の3つの数字にしか書いていない
    2. 2. 水をどこから出すかで、掃除の前後にやる作業量が変わる
    3. 3. ロボットに窓を合わせることはできない。窓のほうが先にある
  4. まとめ|迷ったらこの3台に絞る
    1. 総合1位 HUTT10 — 高所の外窓まで任せたいなら
    2. 総合2位 ECOVACS MINI2 — 小さい窓・変わった形の窓が多いなら
    3. 総合3位 HUTT DDC55pro — 水垢や油膜を落としにいくなら
  5. よくある質問
    1. 窓拭きロボットは本当に落ちないのか?
    2. 網戸や浴室の壁にも使えるのか?
    3. 段差のあるサッシやフレームレスの窓でも動くのか?
    4. 水や洗剤はどうやって補給するのか?
    5. どのくらいの大きさの窓まで対応できるのか?
    6. 同じカテゴリの比較記事

窓拭きロボットの比較一覧表

まず10台を並べる。価格は表示時点でAmazonと楽天の安い方が自動で出るので、この表では触れない。見てほしいのは「記載なし」がどこに集まっているかである。同じ棚に並んでいても、安全まわりの数字を出している製品と、出していない製品ははっきり分かれる。

順位 製品名 価格 公表吸引力 停電時の保持・安全ロープ 水の供給方式 リンク
1位 HUTT10
HUTT10
6,500Pa(55N加圧) UPSで30分吸着/220kg荷重の安全ロープ 80mlタンク+120°パルススプレー
2位 ECOVACS MINI2
ECOVACS MINI2
8,000Pa(14N加圧) 電源オフ時も30分程度吸着/1,600Nの安全ロープ 超音波ミスト(約10µm・保水量最大15g)
3位 HUTT DDC55pro
HUTT DDC55pro
6,500Pa 記載なし(3Dサスペンション・落下防止) 80mlタンク+M型広角パルススプレー
4位 HOBOT-388 窓拭きロボット
HOBOT-388 窓拭きロボット
記載なし(強力な吸引モーター) 停電時20分吸着/落下防止ロープ付属 スプレーノズル1箇所(霧状噴射)
5位 HOBOT R3 窓拭きロボット
HOBOT R3 窓拭きロボット
記載なし(強力な吸引モーター) 停電時20分吸着/落下防止ロープ付属 スプレーノズル2箇所(霧状噴射)
6位 ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除
ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除
記載なし(強力吸引) 記載なし(落下防止) 超音波霧化スプレー(約10µm)
7位 ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボット
ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボット
2,800Pa 記載なし(電源障害からの保護) 二方向のクロスウォータースプレー
8位 AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレー
AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレー
3,980Pa 停電時30分のバックアップバッテリー/安全ロープ 60mlタンク+双方向自動スプレー
9位 HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能
HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能
記載なし(強力吸引) 記載なし(落下防止) 自動スプレー(水拭き・乾拭き)

この表を作っていて、Paの数字を見比べているうちに日が暮れた。窓は1枚も拭いていない。

本気でおすすめできる窓拭きロボットランキング9選

1位 HUTT10 — 丸と四角を1台に詰め込んだ、公開情報がいちばん厚い一台

HUTT10

商品ページによると、このロボットは丸型の回転モップと四角型の仕上げ機構を1台に載せたハイブリッド構造を採っている。メーカーの説明では、丸型は摩擦力が強い代わりに四隅に拭き残しと水痕が出やすく、四角型は角に届く代わりに窓枠の際が苦手だという。その2つの弱点を潰すために両方を積んだ、という理屈である。理屈としては素直だ。

数字はとにかく強い。吸引力6,500Pa、日本電産(Nidec)製ブラシレスモーター、3Dサスペンション底盤で常時55N(約5.6kg)の圧力をガラスにかけ続けるとメーカーは公表している。加圧の数値まで書いている機種は今回10台のうちこれとECOVACS MINI2だけで、「押し付ける力」を独立した性能として扱っているのは珍しい。

安全面の記載も分厚い。220kgの荷重に耐える登山級の安全ロープ、停電時も30分吸着し続けるUPSバッテリー、9つの精密センサーによる14種類の安全保護、PSE認証済み、日本語説明書付き。220kgというのは、窓拭きロボットではなく僕を吊っても切れない計算である。ここまで書いてくれると、高所の外窓に貼り付ける前の心拍数がだいぶ下がる。

給水は80mlの可視化タンクで、120°の広角コーン型パルススプレーが噴霧する。一度の給水で最大150㎡の連続清掃という表記は、家中の窓を1回で回しきる想定だ。NAVI 7.0のナビゲーションは窓のサイズを自動計測して経路を組み、完了後は開始位置に自動で戻る。高所に貼り付けたロボットの回収は地味にいちばん困る作業なので、この帰巣機能はカタログ映えしないわりに効く。

2位 ECOVACS MINI2 — 一辺215mm。窓のほうが小さい家の本命

ECOVACS MINI2

メーカー公表のスペックでは一辺わずか215mm・厚さ55mmで、エコバックス史上もっともコンパクトだという。今回の9機種で本体寸法を数字で出しているのはこれとMamibot W120-T 窓拭きロボットの2台しかない。「うちの小窓に入るか」を注文前に判断できるという点で、この情報公開はスペック表の中でいちばん実用的だと思う。

吸引力は8,000Paで今回の最大値。落下防止は5つのハードウェア設計と4段階のインテリジェント制御の二階建てで、さらに保険補償まで付く。安全ロープは最大1,600Nの引張力に耐えるとされ、電源が切れても30分程度は吸着状態を維持する。高層階のベランダ側に貼るなら、ここまで書いてある機種を選びたい。

拭き方の思想も他と違う。水を粒径約10µmの超微細ミストに変える超音波霧化スプレーで汚れを浮かせ、14Nの下向き圧力をかけたパッドで拭き取る。保水量は最大15g、保水率は最大400%。タンクで水を撒くのではなく、パッドに含ませた水で拭き切る設計なので、垂れた水が窓枠や床を汚しにくい。

四隅はコーナーブラシが最大84RPMで回り、フレームからわずか1mmの距離まで拭き上げてエッジカバー率は最大約90%とされる。WIN-SLAM 4.0が窓枠とガラス面のサイズを検知して経路を引き、高さ4mmまでの低い障害物は避けて走る。小さくて、強くて、賢い。素直に感心した。

3位 HUTT DDC55pro — 毎分70回転。プロの手つきを機械でやる

HUTT DDC55pro

HUTT10と同じ6,500Paの吸引力と3Dサスペンションを持ちながら、拭く機構だけを別の方向に振った機種である。商品ページによると2つの円形モップが毎分70回転で相互に回転しながら移動するデュアルディスク機構で、表面をなぞるだけのパッド式とは仕上がりが根本的に違うと説明されている。

メーカーは落下の理屈まで書いている。固定式シャーシの従来機(吸引力2,000〜3,000Pa程度)は窓枠のわずかな段差やタイルの目地を通過するときに空気が漏れて落ちる——だから清掃面の凹凸に追従するサスペンションを積んだ、という筋立てだ。今回の表で吸引力2,800Paや3,000Paの機種が実在することを思うと、なかなか刺さる書きぶりである。

給水はHUTT10と同じ80mlの大容量タンク。噴霧はM型コニカルファンの広角パルススプレーで、直線的な単一スプレーだと水が局所的にしか当たらず、下部に垂れて窓枠や床を汚すという問題への回答になっている。対応面はガラス/タイル/鏡/木材と幅広く、PSE認証済み。窓以外の平らな面も任せたいならこちらが候補になる。

一方で、停電時に何分吸着し続けるかの記載は公開情報から拾えなかった。同じブランドのHUTT10がUPSバッテリーを明記していることを思うと、ここは差がある可能性が高い。屋外の高層窓に使うなら注文前に確認したい点だ。

4位 HOBOT-388 窓拭きロボット — 日本語サポートを掲げる、この分野の定番

HOBOT-388 窓拭きロボット

窓拭きロボットというジャンルを語るときに、まず名前が出てくる系列の一台だ。メーカー公表のスペックでは1㎡を4分で清掃し、スプレーノズルが水を霧状にして窓の表面へ均一に噴射する。「ガラスに息を吹きかける状態を再現」という表現が商品ページにあって、これは言い得て妙だと思った。

安全側は停電時でも20分間ガラス面に吸着し続けて本体の落下を防ぎ、落下防止ロープも付属する。20分という数字は今回の9機種では短いほうだが、そもそも保持時間を数字で公表している機種自体が6台しかない。書いていない機種と比べれば、20分と明記してあるほうがはるかに扱いやすい。

操作は付属リモコンに加えて、Bluetooth経由でiOSとAndroidのスマホからも動かせる。清掃布は再利用可能なファイバー製で、回転しながらガラス面や壁を自由に移動する。日本語カスタマーサポートを商品名に明記しているのもこの系列の特徴で、動かなくなったときに日本語で問い合わせられるかどうかは、スペック表に載らないわりに効いてくる要素である。

吸引力のPa表記は公開情報から拾えなかった。「強力な吸引モーターを内蔵」としか書かれていない。安全の担保を「Pa」ではなく「分」で語るタイプだと理解すればいい。

5位 HOBOT R3 窓拭きロボット — 兄との違いはノズルの数、というシンプルな話

HOBOT R3 窓拭きロボット

HOBOT-388 窓拭きロボットとスペックを並べると、公表されている差はかなり絞られる。1㎡を4分、停電時20分吸着、落下防止ロープ付属、リモコン+Bluetooth操作——ここまで全部同じだ。違うのはスプレーノズルが2箇所あること、そして商品名に省スペース設計とマッピングが掲げられていることである。

ノズルが1箇所から2箇所に増えると、噴霧が窓面に行き渡るまでの経路が短くなる。メーカーの説明では同じ「水を霧状にして均一に噴射」という表現だが、出口が倍になっているぶん、面で濡らす前提の設計になっていると読める。水拭きを主戦場にするなら、この差は小さくない。

マッピングを商品名に掲げているのもこちらだけだが、具体的なアルゴリズム名や経路の説明は公開情報に見当たらなかった。「書いてある機能名」以上のことがわからないので、期待値は控えめに置きたい。

省スペース設計という表記もあり収納しやすさを訴えているが、本体寸法の数字はない。窓拭きロボットは年に数回しか出番がない家電で、残りの360日は棚の中にいる。しまう場所から逆算して選びたいなら、注文前に販売元へ寸法を問い合わせるのが確実だ。

6位 ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除 — 防犯バーの内側に手を入れる小型機

ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除

ECOVACS MINI2の前の世代にあたる小型機で、商品ページの訴えどころがはっきりしている。安全柵や防犯バー付きの窓、小窓、ハンドル付きの窓——他のロボット掃除機が入れない場所に入る、という一点である。マンションの共用廊下側の窓に格子が付いている家は、この条件が最優先になる。

清掃機構は10マイクロメートルの超微細な水霧粒子でホコリや汚れを浮かせる超音波霧化スプレー。少ない水量で洗浄する設計で、窓を傷めにくいとされる。バンパーレールを取り外すとクリーニングクロスが窓に密着し、窓枠の隅々まで届く。メーカーは清掃カバー率99.5%という数字を出している。

経路はWIN-SLAM 3.0が引く。窓枠とサイズを検出し、4mm以上の障害物を回避、最大50mmの障害物も避けるという記載がある。清掃モードは軽い汚れ向けのクイック、頑固な汚れ向けの念入り、部分清掃のスポットの3種類だ。

惜しいのは、吸引力のPa表記と停電時の保持時間が公開情報から拾えなかったことである。「強力吸引」「落下防止」とは書かれているが、数字がない。後継のECOVACS MINI2が8,000Paと30分を明記していることを思うと、ここは世代差が出ている部分と見るのが妥当だろう。高所の外窓が主用途なら、MINI2側を検討したい。

7位 ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボット — PROを名乗る機種の吸引力が、今回いちばん小さかった

ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボット

商品名にPROが付いているので上位機だと思って表に並べたら、公表吸引力2,800Paは今回の9機種で最小だった。Paを公開している6台の中で最下位である。名前と数字が一致しないという、比較記事を書いていていちばん面白い瞬間がここで来た。

もっとも、この機種が数字を出しているのは吸引力ではなく経路と検出のほうだ。Win SLAM 3.0の経路計画と、0.02秒以内にエッジを検出する高精度カップリングセンサー。メーカーはフレームレスのガラスでも清掃経路をフィットさせられるとしている。落ちない力ではなく、落ちる場所を先に見つける速さで勝負している設計だと読める。

拭き方はデュアルクロスウォータースプレー。二方向のクロススプレーがモップの湿度を一定に保つという説明だ。清掃モードはクイック、ディープ、スポットステイン除去の3つで、正逆の動きを組み合わせて拭き上げる。

安全については「内部ドライブシステムと正確な重力設定により、滑りにくく安定した動きと電源障害からの保護を保証する」と書かれている。ただし停電時に何分吸着し続けるかの数字は公開情報から拾えなかった。2,800Paという値と合わせて考えると、高層階の外窓より、室内側のフレームレス窓を経路精度で丁寧に仕上げる用途のほうが噛み合う。

8位 AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレー — 数字が素直で、余計なことを言わない

AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレー

商品名がそのまま仕様書になっているタイプだ。双方向自動スプレー、60ml水タンク、リモコン付き、屋内/屋外の高層窓用。誇張の少ない書き方で、読んでいて疲れない。

数字も素直である。吸引力3,980Pa、停電時は30分のバックアップバッテリー、安全ロープ装備、光カプラセンサーによるエッジ検出、1年のメーカー保証。3,980PaはPaを公開している6台のうち4番目で、6,500Pa勢や8,000Paには届かないが、2,800Paや3,000Paの機種よりは上に来る。停電時30分の明記も上位グループと同じ扱いである。

給水は60mlのタンクから双方向の水出口が全方向にスプレーする。メーカーは一度水を入れれば洗浄が完了し、使用中に頻繁に水を足す必要がないとしている。80mlのHUTT勢には及ばないが、スプレーノズル方式で事前に窓へ吹きかける必要がある機種と比べれば、手数はひとつ減る。

拭き取りは洗えるマイクロファイバーパッドで、エッジを検出しながら手の届きにくい領域まで走る経路を選ぶ。タンク式の自動給水という構成を、最小限の機能で成立させた一台と言える。機能表が短いということは、壊れる箇所も少ないということでもある……たぶん。

9位 HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能 — スペックではなく、売り方で選ぶ一台

HOBOT-2S 窓拭きロボット スプレー機能

先に正直なことを書く。この機種は公開されている商品情報がいちばん薄かった。特徴欄に書かれているのは「窓掃除ロボット」の一行だけで、吸引力も停電時の保持時間も本体寸法も拾えない。数字で並べ替えるという本記事の物差しでは、どうしても最後尾になる。

ただし、商品名のほうにはそれなりの情報が入っている。LIXIL公式セット、LIXIL安心サポート、AI搭載、自動スプレー、水拭き・乾拭き、強力吸引、落下防止、エントリーモデル。同じHOBOT系列のHOBOT-388 窓拭きロボットが本体スペックで押してくるのに対して、こちらは住宅設備メーカーのサポートが付く流通ルートという別の軸で売られている。

これは軽く見ないほうがいい。窓拭きロボットは高所で使う家電で、しかも年に数回しか動かさない。次に使うのが半年後で、そのとき動かなかったらどこに連絡するのか——という問いに、住宅設備の窓口が答えてくれる構成には意味がある。スペック表の欄が埋まっていることと、困ったときに助かることは別の話だ。

ただ、吸引力や停電時の保持時間を比較して決めたいなら、公開情報が揃っている上位の機種を見たほうが早い。機能を絞った入門機をサポート込みで入れたい場合に、この選択肢が効いてくる。

選び方ガイド|窓拭きロボットで失敗しない3つの分岐点

1. 落ちない根拠は、Paと分と荷重の3つの数字にしか書いていない

窓拭きロボットの怖さは、故障ではなく落下である。そして落ちない根拠として公開されている数字は、吸引力(Pa)・停電時の吸着保持時間(分)・安全ロープの耐荷重(Nまたはkg)の3つしかない。この3つが全部書いてある機種は、今回の10台のうちHUTT10とECOVACS MINI2の2台だけだった。

吸引力はECOVACS MINI2の8,000Paを頂点に、HUTT10とHUTT DDC55proの6,500Pa、AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレーの3,980Pa、Mamibot W120-T 窓拭きロボットの3,000Pa、ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボットの2,800Paと並ぶ。HOBOT勢とECOVACS WINBOT MINI 窓掃除の4台はPa表記なしで、代わりにHOBOTの2台は「停電時20分」を明記している。

実務的な線引きはこうだ。室内側の窓だけに使うなら、この3つが全部揃っていなくても困らない。落ちてもガラスと床の間に落ちるだけである。ベランダの外側や高層階の外窓に貼るなら、3つとも数字で書いてある機種に絞る。書いていない機種が危険だという話ではなく、確認できないものを高所に貼るべきではない、という話だ。

2. 水をどこから出すかで、掃除の前後にやる作業量が変わる

給水方式は3つに割れる。本体タンク式がHUTT10とHUTT DDC55proの80ml、AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレーの60ml。超音波ミスト式がECOVACS MINI2とECOVACS WINBOT MINI 窓掃除で、水を約10µmの微細ミストに変えて汚れを浮かせる。スプレーノズル式がHOBOT-388 窓拭きロボットとHOBOT R3 窓拭きロボットで、霧状の噴射をガラス面に当てる。

この違いは、掃除の「前後」の作業量に効く。タンク式は水を入れる手間が最初に1回来る代わりに、HUTT10なら一度の給水で最大150㎡の連続清掃と公表されており、家中の窓を一気に回せる。ミスト式は水の量が少ないぶん垂れにくく、窓枠や床を汚しにくい。

汚れの質でも選び方は変わる。水垢や油膜のような固着した汚れを相手にするなら、水量とモップの回転で押すHUTT DDC55proの毎分70回転デュアルディスクや、HUTT10の水拭き×乾拭き同時進行システムのような機構が噛み合う。ホコリ主体の日常的な汚れなら、ミスト式で十分足りる。ここを間違えると「拭いたのに筋が残る」という一番がっかりする結果になる。

3. ロボットに窓を合わせることはできない。窓のほうが先にある

最後に、いちばん見落とされる分岐点を書く。その窓に物理的に入るかどうかである。どれだけ吸引力が強くても、格子や防犯バーの内側に本体が入らなければ意味がない。

ところが今回、本体寸法を数字で公開しているのはECOVACS MINI2(一辺215mm・厚さ55mm)とMamibot W120-T 窓拭きロボット(25×25×8.5cm・1.45kg)の2台だけだった。ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除は「安全柵や防犯バー付き、小窓、ハンドル付きの窓など様々な窓に対応」と文章では書いているが、数字はない。小窓が主戦場なら、寸法が出ている2台から入るのが安全である。

窓の形も見る。段差やフレームの扱いは機種ごとに書きぶりが違い、HUTT10は0mmエッジ清掃、ECOVACS MINI2はフレームから1mmまで・高さ4mmの障害物を回避、ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除は4mm以上の障害物を回避し最大50mmまで避ける、ECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボットは0.02秒でエッジを検出と表現される。そしてMamibot W120-T 窓拭きロボットだけが「真ん中に隙間がある窓・天窓・傾斜面には使えない」と使用不可の条件を明記している。メジャーで窓を測ってから表に戻ると、9機種が3台くらいまで一気に絞れる。順序を逆にしないことだ。

まとめ|迷ったらこの3台に絞る

9機種を公開スペックだけで並べ直した結論を書く。用途がはっきりしているなら、この3台のどれかで外さない。

総合1位 HUTT10 — 高所の外窓まで任せたいなら

吸引力6,500Pa、55N加圧、停電時30分のUPS、220kg荷重の安全ロープ、80mlタンクで最大150㎡。安全と給水の数字がひととおり揃っているのは、今回この機種が頭ひとつ抜けていた。

総合2位 ECOVACS MINI2 — 小さい窓・変わった形の窓が多いなら

一辺215mm・厚さ55mmという寸法公開と、8,000Paという今回の最大吸引力。フレーム際1mmまで届くコーナーブラシもあり、格子や小窓の多い家ならここが本命になる。

総合3位 HUTT DDC55pro — 水垢や油膜を落としにいくなら

毎分70回転のデュアルディスクと80mlタンク、M型広角パルススプレー。ガラス/タイル/鏡/木材の多素材対応なので、窓以外の平らな面まで守備範囲に入れたい場合もこちらだ。

よくある質問

窓拭きロボットは本当に落ちないのか?

落ちない仕組みは二重で用意されている。ひとつは吸引力で、ガラス面に吸い付いて自重を支える。もうひとつは停電時のバックアップで、HUTT10はUPSバッテリーで30分、ECOVACS MINI2は電源オフ時も30分程度、Mamibot W120-T 窓拭きロボットは600mAhバッテリーで30分、HOBOT-388 窓拭きロボットとHOBOT R3 窓拭きロボットは20分と各社が公表している。加えて安全ロープが付き、HUTT10は220kg荷重、ECOVACS MINI2は最大1,600Nの引張力まで明記されている。逆に言えば、ロープを窓枠や家具に固定しないまま使えば、この備えのうち一枚を自分で外していることになる。屋外で使うときの固定は必ず行いたい。

網戸や浴室の壁にも使えるのか?

網戸については、今回の9機種で商品ページに網戸清掃をうたっているものは1台もなかった。窓ガラスに吸着する構造上、目の粗い面では吸引が成立しないと考えるのが自然である。一方でガラス以外の平らな面には対応表記がある機種がいくつかあり、Mamibot W120-T 窓拭きロボットはフレーム/フレームレスガラス、テーブル、滑らかな床、浴室の壁に対応HUTT DDC55proはガラス/タイル/鏡/木材の多素材対応と記載されている。ただしMamibot W120-T 窓拭きロボットは天窓や傾斜面には使えないと明記しているので、面が平らでも角度が付いているなら別問題だ。

段差のあるサッシやフレームレスの窓でも動くのか?

障害物の高さで判断できる。メーカー公表のスペックではECOVACS MINI2が高さ4mmまでの低い障害物を回避、ECOVACS WINBOT MINI 窓掃除は4mm以上の障害物を回避し最大50mmの障害物も避けるとされる。フレームレスの窓についてはECOVACS WINBOT W1 PRO 窓拭きロボットが0.02秒以内にエッジを検出する高精度センサーで対応し、HUTT10は0mmエッジ清掃を掲げている。判断の順番としては、まずサッシの段差をミリ単位で測り、その数字で機種を絞るのが早い。カタログを先に読むと、メジャーを出すのは後回しになりがちである。

水や洗剤はどうやって補給するのか?

方式によって手順が変わる。本体タンク式のHUTT10とHUTT DDC55proは80ml、AlfaBot 窓拭きロボット 双方向自動スプレーは60mlで、注水しておけば運転中に自動で噴霧される。HUTT10は一度の給水で最大150㎡の連続清掃と公表しており、家中の窓をまとめて回す前提だ。超音波ミスト式のECOVACS MINI2とECOVACS WINBOT MINI 窓掃除は水を約10µmの微細ミストに変える方式で、ECOVACS MINI2の保水量は最大15g。少量の水で拭き切る設計である。洗浄液についてはMamibot W120-T 窓拭きロボットが付属品にクリーニングソリューションを含むと明記している。

どのくらいの大きさの窓まで対応できるのか?

上限を面積で書いている機種は少なく、代わりに清掃速度や連続清掃面積で示されている。HOBOT-388 窓拭きロボットとHOBOT R3 窓拭きロボットは1㎡を4分、Mamibot W120-T 窓拭きロボットは2.5分/㎡、HUTT10は一度の給水で最大150㎡。掃き出し窓のような大きな面は時間の問題であり、機種選びの問題ではない。むしろ効いてくるのは下限のほうで、小窓に入るかどうかは本体寸法で決まる。寸法を公開しているのはECOVACS MINI2(一辺215mm・厚さ55mm)とMamibot W120-T 窓拭きロボット(25×25×8.5cm)の2台のみなので、小さい窓が主目的ならここから選ぶのが確実だ。

窓拭きロボットのカタログは、どれも「ピカピカになる」と言う。だが読み比べて見えてきたのは仕上がりの差ではなく、安全の根拠をどこまで数字で書いているかという差だった。落ちない理由を3つの数字で説明できる機種と、「強力吸引」の4文字で済ませる機種が同じ棚に並んでいる。選ぶ側にできるのは、窓の高さ・大きさ・段差を先に測り、その3つに答えている機種だけを候補に残すことだ。順番を守れば9機種は3台まで減る。減ってから値段を見ればいい。

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